こういった出会いが嫌ってわけではないんですけど、神待ちしている家出少女と出会って別れるたびに切なくなるんですよね。出会えるってことになると嬉しいし楽しみではあるんですが、やっぱり神待ちしている理由を知るとどうしても「大丈夫なのかな」と親心のような気持ちが先に出てきてしまいます。
今回出会った家出少女は「親からの暴力が耐えられずに逃げ出した」子でした。
普通ならまず警察に逃げ込むべきなんでしょう。
僕もこの理由を聞いたときはまず警察に連絡をしないといけないと言いましたが
「警察に連絡しても結局は親が引き取りに来てまた殴られるから嫌だ。」
確かに一理あるし、仮に親が逮捕されるとしても結局は帰る家は一つだから
事が大きくなる前に、親の前から消えようと思ったようです。
それからネカフェを転々として行き着いた場所が自分が住んでいる地域でした。
実はこの神待ち少女は他県の子で歩いてここまで来たと。
家にあがってもらって、ふと足を見るとあざだらけで痛々しい状態でした。
「少しの間で良いので」
と繰り返し何度も言ってきたんですが
好きなだけ居ていいと伝えました。
しっかり自立出来ると思ったら出ていけばいいから気にせず好きに使ってくれと。
それから程なくして、アルバイトを始めてバイトの無い日は家の家事も手伝ってくれて
凄い助かっている生活を送っていました。
でもついに家を出る時がきまして
「本当にありがとうございました!絶対にこの恩は忘れません!」
そう言うと、文字通り笑顔で去っていきました。
また元通り一人になったんですが、寂しさよりやっぱり大丈夫かな?幸せになれよと
親心が先に出てきました。